Message

代表メッセージ

私たちの活動は、今から約半世紀前、若き日の私が「五人会」の盟友たちである松崎しげる、田中健、そして今は亡き志垣太郎、西田敏行と共に、「俺たちも、子どもたちのために何かできないか」と夜を徹して語り合ったあの熱い夜から始まりました。

「自分たちにできることで、誰かを笑顔にしたい」

その一心で手探りのチャリティコンサートを自ら企画して資金を集め、児童養護施設などの現場へ何度も足を運び、子どもたちと直接触れ合い、その小さな手を握り、共に汗を流しながら、私たちは愚直に寄り添い続けてまいりました。

多くの方々の温かい善意に支えられたこの草の根の活動は、一般社団法人としての実践を経て、現在は内閣府より認定された「公益財団法人」として、厳しい環境にいる子どもたちへの学費支援を誠実に続けるまでに至っています。

しかし、半世紀という歳月のなかで、共に夢を語り、汗を流してきた仲間二人が先に旅立ってしまいました。
そんな志半ばで逝ってしまった仲間の遺志を、現在、公益財団法人こどものための柴基金の仲間と共に繋いでいます。

長年、現場で子どもたちの生の声を聞き、未来と向き合い続ける中で、私はある「重要な現実」に直面しました。行政や公的な制度には一律の基準があり、本当に支援を必要としながらも、その網の目からこぼれ落ちて立ち尽くしている「狭間の家庭」が数多く存在しているということです。

「どうすれば、この世の中がもう少し福祉活動に寄り添えるのか。どうすれば、私たちが現場で感じてきたあの優しさを、勝手に連鎖する仕組みにできるのか」

その答えを学術的・体系的に導き出し、託された仲間の遺志を次のステージへ進化させるため、私は70代にして大学院へ進学し、社会の仕組みづくり(ソーシャルデザイン)を学び直す決意をいたしました。

50年前、仲間と共に灯した最初の火を絶やすことなく、私たちは今、新たな原点に立ち返ります。

私たち柴基金の目的は、経済的な理由や環境のせいで壁にぶつかっている子どもたちが自らの可能性を開いていく姿を、できる人が、できるときに、そっと支える仕組み(ソーシャルデザイン)を社会に実装することです。

日常の中で、一生懸命に未来へ進もうとしている子どものために、できる人が当たり前のように手を差し伸べる。その関わりのなかで、子どもが希望に満ちた笑顔を見せてくれたとき、支えた側の大人の胸にも「自分の存在意義」という確かな火が灯ります。

「子どもの未来を支えることが、自らの幸福につながる」という実感。このかけがえのない体感を多くの人と共有し、世の中全体へと広く発信していきます。

喜びを知った大人が、また日常の別の場所で、次の誰かをサポートする人へと変わっていく。一箇所の支援をきっかけに、社会全体へ「優しさの連鎖」を広く浸透させ、誰もが困った人を自然と探してしまう温かい世の中を築いていくこと。これこそが、私たちが半世紀にわたる現場での歩みを経て、大切な友たちの想いと共に、本気で実現していく未来の社会像です。

公益財団法人 こどものための柴基金
代表理事 柴 俊夫

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